スクミリンゴガイ(別名 ジャンボタニシ　学名 Pomacea canaliculata)

アップルスネールはアジア各国に1980年代より盛んに輸入されたリンゴガイ科の淡水巻貝の総称です。 日本にはタンパク源目的としてリンゴガイ科のスクミリンゴガイが1981年ごろから輸入がはじまりました。
養殖事業が各地で行われ最盛期では全国にその養殖場がおよそ５００箇所ほどできたものの、食用としてあまりふさわしくないことなどでほとんどの業者が撤退。放置されたものが野外に逃げ出すなどして各地に定着をはじめました。南米原産であまり寒冷な土地で越冬することはできませんが比較的温暖な土地では冬を越すことに成功し、現在では茨城県以西に定着しています。 また、旺盛な食欲は稲や田に生息する植物にダメージを与え、農家にとって害貝として扱われるようになりました。現在も害貝として嫌われているものの、生態についての研究がなされるようになり駆除や有益な利用法がある程度確立されているようです。

ゴールデンアップルスネール(学名 Pomacea bridgesii)

スクミリンゴガイ、ジャンボタニシは害貝として扱われてきましたが、いつごろからか同じリンゴガイ科の仲間である Pomacea bridgesii のアルビノ種がゴールデンアップルスネールという名前でペットとして熱帯魚店などの店頭に並ぶようになりました(←中には Pomacea canaliculata の色突然変異種の場合もあるようです)。 ゴールデンの名の通り殻部分が鮮やかな黄色をしており体はクリーム色であること以外はスクミリンゴガイとよく似た形状ですが、そのまばゆいほどの色合いと活発に動き回る姿、残飯処理能力などがアクアリウムの世界では受け入れられ人気種となりました。

世界におけるアップルスネール

世界で飼育されているアップルスネールはゴールデンアップルスネールがやはり主流ですが、ゴールデンしか見かけることのできない日本とは違い海外では色とりどりのアップルスネールが飼育されています。
YouTubeなどのサイトで、「apple snail」と入力して検索をかければ、様々な色をしたものを見ることができます。
例えば、黒い足に黄色い殻をもったもの、黄色がかった足に白い殻を持つもの、足も殻も黒いもの、薄い青色をした殻を持つものなどなど・・・。

海外のアクアリストが載せている映像を注意深く見ると、私たちが一般的に飼っているゴールデンアップルスネールと殻の形や顔の形が微妙に違うものが見受けられます。
Pomecea bridgesii や Pomecea canaliculata 以外の近縁種が出回っている、もしくは掛け合わされていることが推測されます。
さらには Pomacea haustrum という種類、 Pomacea maculata という種類が出回っている可能性があるそうです。 （※注　今現在日本では植物防疫法のために、このような美しいアップルスネールを新たに輸入することは禁止されています。）

ただし、アップルスネールの仲間の分類は非常に微妙なものであり、かなり混乱しているため飼育者が実際どの種類を飼っているかということは断定されづらいところがあります。
日本にて熱帯魚店にアップルスネールを求めに行くと、学名欄に Pomecea canaliculata と記されていることがあります。しかしその殻の形などから Pomecea bridgesii の可能性が非常に高いと思われます。このように、専門店であっても正確な分類がなされないほど、リンゴガイ科の仲間の分類、見分けは難しいといえます。