孵化まで至らなかった卵塊

卵塊が水槽壁面に産みつけられてからの観察記録です。初日の写真を撮るのを忘れてしまったため2日目からの記録になります。
観察した季節：9月末〜およそ一ヶ月間

産み付けられたときには水分を含んでネバネバしていた卵塊も２日目でもうすでに乾いていました。下半分には卵の粒が小さなものもあり、あまり良くない印象。３日目、水槽自体の湿度変化により卵に水滴が付着するがすぐに蒸発。４日目には卵に艶が出ていました。

５日目、前日とさほど大差はない。６日目、気のせいか艶がなくなった感じがする。７日目、観察時のカメラ設定のミスにより暗く写ってしまっているが、実際に肉眼で見たときも卵塊の色が黒ずんできていた。

８日目、前日よりさらにくすんでいる。10月第一週のこのころから外気温が下がったのか、水槽に水滴がたくさん付きだした。この卵塊から稚貝が誕生するか微妙なところだ。１０日目にはさらに色はくすみ、腐ってしまったのではないかと思うような雰囲気さえある。

１１日目以降目立った変化がないのでひとまず写真撮影を中断。２４日目までにも見た目はほとんど変化なし。このまま自然に稚貝がでてくるのを待っても良いが、乾燥しきってしまい中でひからびてしまう可能性もあったため割って取り出してみることにしました。

水槽壁面よりヘラで剥がして別のガラス容器に移し取ったところ。上のほうに稚貝が１匹確認できるが、それ以外には見当たらない。

ピンセットでさらに割ってみるとやはり１匹しかいない。他には稚貝の姿はみえず、空洞やねばねばした液体があるだけだった。その１匹だけ見つかった稚貝を水の中に入れてみたが動きだす気配はない。結局数時間そのままの状態で放置して観察してみたものの動きだす気配はありませんでした。

観察を終えての感想

親貝が産卵した時点で卵塊下半分の粒立ちが不ぞろいでした。また親貝もそれほど元気な状態ではなかったためか、結局生きて稚貝が誕生することはありませんでした。三週間を過ぎても誕生する気配がなかったため、無精卵かとも思い、割って中を確認してみたら1匹いたので無精卵ではなかった事はわかったものの、その１匹も結局はだめでした。アップルスネールの卵塊の孵化率はあまり高くはなく飼育下環境では20個卵塊を産んだとしてそのうち１個の卵塊から稚貝が誕生するかどうかの確率です。様々な要因でその確率は決定されるのでしょう。